書評 言葉に書き出す力 ~メモの魔力~
最近、読書の目標を立てた。
来年度から大学院に2年間入ることになる。その卒業まで、今から2年と数ヶ月のあいだに
「100冊本を読んで書評を書く」
と決めた。
100冊読むとかすぐでは?と思ったが、ブログに書評をアウトプットすることも考慮して、とりあえず最低限の目標ということで。
他人から見て、「こいつすげぇな」って思われるような、極端なことをやってみたい。身につけたい。そう強く感じていた。
スタートの1冊となったこの本も、私のこの想いに少し似た作者の熱意が込められたものだった。
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)
- 作者: 前田裕二
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/12/24
- メディア: 単行本
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発売からわずか2日で17万部を売り上げるという人気ぶり。読んだことある方も多いだろう。
題名から惹かれるところがあった。普段当たり前のように取っているメモに魔力があるとは、一体どういった例えなのか。
本書にはもちろんメモの書き方が載っている。
まず前提として、「単に記憶的な使い方」に留めてはいけないということ。1度メモして忘れないようにするとか、同時作業を回避するために一旦メモしておくなどは誰しもやってる「メモ」だろう。それも大事だが、著者はメモの真価は別のところにある、と言っている。
この本全体を通して、物事の本質を見抜くものが「抽象化」であると何度も書かれている。
この抽象化を利用してアイデア出しや問題解決、自己分析、夢を叶えるためにどうメモを取るのかについて書かれている。ここで一つひとつ紹介すると量的にもネタバレ的にもまずいので...
私が今1番参考にしている「自己分析」について書いていく。
ざっくり言うと、自分に対して質問を繰り返し、それをメモしていくこと。
「就活生みたいじゃん...」と思われるかもしれない。私もそう思った。そう思ったが、自分のことは知っているようで知らないことが多すぎる。自覚することがしばしばある。
私自身、自分のことで悩みこんでしまったり落ち込んだりが日常茶飯事なんですが(笑)、そんな時に「何が自分に足りないの?」「どんなふうに変わりたい?」「どんな行動を取るべき?」なんて質問されても、「俺はこうしたいんだ!」なんてビシッと言えないわけですよ。
ぼんやりしていて、言語化できない状態。そのままだと改善に踏み切れないわけです。
そんな霧がかった悩みに対して「なぜ?」とか「どんなふうに?」と投げかけて、その本質を浮き彫りにしていく。これが大事だと、著者は述べている。
自分の考えを書き出すなんて恥ずかしいとか面倒だとか思う方もいらっしゃるでしょう(私はずっと思ってた)、でも書いてみると、どういうわけかスッキリするんです。
それは、乱雑な頭の中を言葉にして整理するからでしょう。言葉で表すのが難しいと思うようなことでも「言語化」を強要してくれるのが、ここで言う「メモの魔力」なのでしょう。
「なぜ?」を通して深堀りしていくことについては、前回のこちらのブログでも似たようなことについて触れました。「なぜ自分がそう感じたのか?」について思い巡らし言語化して形にするのは、非常に必要とされる能力ではないでしょうか。
この本の最後の章にあたるところに、著者である前田祐二さんのエピソードが書かれています。途中に「相当恥ずかしく表に出したくない感情だった」と言われていたそのエピソードは、私に大きな感銘を与えました。その内容が今の私の悩みにとても似ているだけでなく、それをバネにして「熱」を持って行動を起こしたこと。
ハッとせられた感じでした。いつしか私は熱を無くしてしまっていたと。久方ぶりに鏡を見た気分でした。
この本は、自他共に(私の場合は自分が大きい所でしたが、)何かしら問題を抱えているが、解決策以前に問題もうやむやだといった人にオススメできる1冊です。またアイデア出しや自己分析の方法など社会に出る時に役立つ内容ばかりなので、就活期とかに関わらず大学生の方には1度読んでもらいたいです。
個人的に参考にならない箇所はなかったかと。ただ具体的な書き方などが最初に書かれているのですが、後々に本書の本質的なことが書かれているのでそっちに意識が集中していました。しっかり自分の中で実用化するならば、読み終えた後に第1章を読み返すことをオススメしておきます。
私にとって自分を大きく変えた1冊...とはまだ言えないですね。そう言えるようになるために、「熱」を持って行動していくことですね。
何事も最後にモノを言うのは、行動するか否か、ですから。